SideMにとっての「運命」

こんにちは、くろれです。アイドルマスターシリーズが大好きで、ニコニコ動画アイマス関係の動画を投稿したりしているプロデューサーです。

全シリーズに担当がいますが、今回特集するSideMではDRAMATIC STARSとTHE虎牙道、特に桜庭 薫牙崎 漣を中心に担当しています。


先日、アイドルマスター公式から出されたお題 #アイマス好きな曲リレー に参加し、765ASの歌う『Destiny』という曲に対する思いを綴ったのですが、

これを書いた後に、ふと「SideMにおける運命ってなんなんだろう?」と考えるようになりました。


例えば、上のツイートで触れている『Destiny』の歌詞はもちろん、春香に対する「運命の出会いを、信じてる?」という選択肢や、シャイニーカラーズの「運命の出会いガチャ」など、

アイドルマスターにおいて、「アイドルとプロデューサーの出会いは運命だ」と表現されることが多いのかなと思っています。

youtu.be


もちろん、SideMでもアイドルとプロデューサーの出会いは運命であることに変わりは無いのですが、
彼らはプロデューサーだけではなくユニットメンバーと出会い、共にアイドルになっています。

また、SideMのアイドル達は理由あって前職からアイドルになった。つまり、己の運命を変えてアイドルになったわけで、
そうなると彼らにとって、「運命という言葉の重みや意味が違うのではないか?」と思ったのです。


ちょうど、Jupiterの『運命光年』というタイトルの楽曲が配信されたばかりだったこともあり、
SideMの楽曲の素晴らしい歌詞から、彼らが歌う「運命」という言葉の立ち位置を紐解いてみようと、この怪文章をしたためております。

※あくまでも、いちプロデューサー兼楽曲オタクの感想を書き連ねたものであること、間違った情報や見落としがあるかもしれないことをお許しください。



「運命」と「偶然」

「運命」やそれっぽい内容の歌詞がある歌を探し始め、どのような特徴があるのか考えていた時、
まず、「偶然」という単語が対義語として一緒に使われているケースがとても印象に残りました。

Reason!! / 315 ALLSTARS
  1番:運命が描く星座を追いかけて 2番:偶然なんて欲しくない


Bet your intuition! / FRAME・S.E.M・Legenders
  偶然に出会ったわけじゃない 運命という名で結ばれてた

偶然ではない、つまり…

そこから発展して、「偶然」という言葉のみを用いつつ、反語表現で「運命」を表している歌詞があることに気づきました。

Eternal Fantasia / Café Parade・Altessimo・Legenders
  出会ったのは偶然じゃないって とっくに信じているんだ


With…STORY / F-LAGS
  巡り合えた それはただの偶然じゃない そうだよね?

この、『With…STORY』の歌詞!
反語表現を使った後に「そうだよね?」と改めて呼びかけるのが、メロディーも相まって泣ける。

曲を聴いているプロデューサーやファンに呼びかけているようにも、一緒に歌っているユニットのメンバーに向けて歌っているようにも取れてすごいなあ…と、改めて歌詞を噛みしめていました。


「運命」が表すもの

さらっと「運命」と「偶然」について紹介したのですが、ここから本題である「運命」という言葉、もしくは似たような言葉が、歌詞の中で成している役割・意味を考えていきたいと思います。

超個人的な分け方ではありますが、SideMの楽曲における「運命」は大きく4種類に分けられるのかなという結論に至りました。
※順に紹介していきますが、ここから特に解釈違いが発生する可能性が大きいです。ご注意ください。

運命の出会い

運命と聞いて一番に思い浮かぶのは、やはり運命の出会いなのではないでしょうか。
SideMの楽曲では、ユニットメンバーとの出会いをメインに歌った楽曲が多かったように思います。

想いはETERNITY(視聴動画なし) / Beit
 もしもこの街ですれ違わなくても 僕らは出会うだろう 何度だって明日を変えるために


Sunset★Colors / High×Joker
 大袈裟かもしれないけど 出会うってこと生まれる前から決まってたんだ 運命ってこと!

『想いはETERNITY』には「運命」という言葉は使われていませんが、似たような意味を表している歌詞であると判断しました。

ちなみに、

GOLD ~No,79~ / 山下 次郎
 賭けみたいなもんだよ、運命なんてさルーレットの結果論 俺たちの出会いも…そうなんじゃない?

という変化球もあります。面白い。


運命=人生

続いては、「運命」という言葉が今まで歩んできた人生、もしくはこれから歩む人生を指しているのかな?と感じたものです。

DRAMATIC NONFICTION(視聴動画なし) / DRAMATIC STARS
ずっと互いに違うルートを歩いていた運命が 出会うときその道は交わってく


ALL nOR NOTHING / 神谷幸広・北村想楽・握野英雄・華村翔真・榊 夏来・岡村直央
女神と死神のダンスに見惚れては 運命でさえも 差し出してしまう

DRAMATIC STARSは自分たちのことを「運命共同体」であると表現していますし、もっと運命について歌っているような気がしていたのですが、『DRAMATIC NONFICTION』一曲のみでした。

運命=人生と読み取れるような表現が使われているのは、様々な過去を持ち、運命が変わりアイドルになったメンバーが集まるSideMの楽曲ならではなのかもしれないと思います。

『ALL nOR NOTHING』で差し出されているのは、人生というより命や魂のような気もしますが…。花京院の「魂」も賭けよう。


運命=未来に待ち受けるもの

次は、「運命」という言葉がアイドルの未来、もしくは未来に待ち受ける障害や事象を表しているのでは?と感じた楽曲のグループです。

BRAND NEW FIELD / Jupiter
 BRAND NEW FIELD 君を今 連れてゆくよ 
 駆け抜けて その先にある運命だって掴んで


Sweep Your Gloom / 葛之葉 雨彦
 出逢うなら、そんな未来がいい 瞳は映すのさ運命

…正直前のグループと意味が似ているのですが、人生と言い換えるには少し抵抗があるようなものはこちらにしました。


その他の運命

RAY OF LIGHT / THE虎牙道
俺たちは宿命のように この手を重ねていくのさ

分類が難しかったものもいくつかありました。『RAY OF LIGHT』における「宿命(運命)」は、抗えない力というような意味になるのかな…?


「運命」を歌うアイドル達

ここまで、SideMの楽曲における「運命」の意味を考えてきたのですが、実は「運命」を歌うアイドルには、想像以上にユニットによる偏りがあることが分かりました。

特にJupiterBeitTHE虎牙道のユニット曲、もしくはそこに所属するアイドルのソロ曲に「運命」という歌詞が含まれていることが多かったのです。

Jupiter

最新曲である『運命光年』はタイトルからしてまさに…なのですが、先ほど紹介した『BRAND NEW FIELD』、そして『GLORIA MOMENT』『DIVE to GRAVITATION』にも「運命」という歌詞が出てきます。

運命に翻弄され、そして運命的に315プロダクションに出会った彼らならではなのかなと思いました。
今までのJupiterの歴史を完全に理解できていない者が「Jupiterと運命」について語るといろんな人に怒られそうなので、この辺でやめておきます。

Beit

ユニット曲『スマイル・エンゲージ』『想いはETERNITY』、鷹城 恭二のソロ曲『Frying Hawk』、渡辺 みのりのソロ曲『Cherish BOUQUET』に「運命」ぽい歌詞がありました。

ユニットメンバーやプロデューサーとの運命の出会いを歌ったものが多かったです。Beitは家族。
スマエンに関してはお姫様との出会いか。

THE虎牙道

ユニット曲『強く尊き獣たち』『RAY OF LIGHT』『PROOF OF ONESELF』、そして牙崎漣のソロ曲『RULE ~牙ヲ穿テヨ~』の歌詞に「運命」が入っていました。

Twitterで「THE虎牙道は、961プロダクションを意識して考案されたユニットなのではないか?」という仮説を目にしたことがあります。

アイドルファイル順や、楽曲のモチーフ的にもなるほどな~、ぽいなあ~と思っていたのですが、
今回元961プロのアイドルであるJupiterとの「運命」という共通点も見つかったことで、また一つこの説に深みが増したかもしれません。

虎牙道の「運命」は、うんめいというよりさだめって読みそうな感じがする。


結びに

ふとした疑問から、SideMの楽曲における「運命」には、プロデューサー・ユニットメンバーとの運命の出会い以外にも、様々な意味が含まれていることが確認でき、更に楽曲の良さを実感するきっかけとなりました。


―さて、ここからがこの記事を書いた本当の理由なのですが、
最後に紹介した「運命」を歌うアイドル達の組み合わせ、プロデューサーさんなら見覚えがありますよね?


そう、現在先行配信中であるTHE IDOLM@STER SideM 5th ANNIVERSARY DISC 06で『いつかのトライアングル』を一緒に歌っている3ユニットなのです。
『スマイル・エンゲージ』を歌った(カバーした)ユニットでもある。

youtu.be

「運命」を歌ってきたアイドル達が、自分の想いが果たされないという運命に苦しむ三角関係の曲を歌う。

…ああ、これもまた運命なのか。


とりあえず、私が言いたいことは、『いつかのトライアングル』の漣の歌声が天才だということです。小松昌平さん本当にありがとうございます。

THE IDOLM@STER SideM 5th ANNIVERSARY DISC 06、先行配信中。CD版は8月5日発売です。よろしくお願いします。

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